ホテル業界の人手不足、どう対策すべき?ロボットを使った解決方法を紹介
2024.10.11
目次
ホテルの人手不足、解決までの道のりは?
深刻な人手不足が叫ばれるホテル・宿泊業界。サービス・ツーリズム産業労働組合連合会の2024年の調査によると、人材不足を理由に何らかの営業制限を実施している旅行・宿泊系組織は85%にのぼっています。
こうした問題の根本的な解決に向けては、人手不足の現状と複雑に絡み合った要因を理解し、ひとつずつ解決していくことが求められます。
今回は、ホテル業界の人手不足の現状と原因、解決に向けた3STEPをご紹介します。
ホテル業界が「人手不足業界」になってしまった4つの理由
では、ホテル業界はなぜ慢性的な人手不足に陥ってしまったのでしょうか。まずはその背景をご紹介します。
1. 需要の急拡大
新型コロナウイルスの影響による一時的な業務縮小から回復し、旅行需要はここ1〜2年で急拡大中。円安によるインバウンド需要の高まりも後押しとなり、JTBの発表によると2023年10月の訪日旅行者は、コロナ前の2019年同月を上回るまでに需要が高まっています。
こうした需要の拡大を受け、新規ホテルが次々と開業し、日本の旅行業界は急成長を遂げている一方、宿泊業界では労働力の取り合いが発生しているのです。
2. 人口流出
地方の観光業・宿泊業においては、労働力である若年層の都市部流出が人手不足の要因と言えます。既存のスタッフも高齢化が進んでおり、「労働力が増えないのに減っていく」という状況に直面しています。
また、明確に繁忙期と閑散期がある観光業では、ピークシーズンに合わせて臨時スタッフを採用することが多く、地方の宿泊業者にとっては、安定した労働力確保のハードルが高いと言えるでしょう。
3. 過酷な労働環境
24時間体制によるシフト勤務や長時間労働、要求されるサービスレベルの高さなど、宿泊業の労働環境は非常に厳しいと言われています。しかしながら、日本の平均年収 約460万円に対し、宿泊・飲食サービス業の平均年収は約260万円と低賃金。
前述のサービス・ツーリズム産業労働組合連合会の2024年の調査では、退職理由の一つとして、賃金をあげた人は77%、「勤務時間の長さや仕事量の多さ」をあげた人は55%に登っており、過酷な労働環境が人手不足を加速させていることが読み取れます。
4.労働市場の変化
働き方における「安定志向」や「リモート志向」が高まったことも一つの要因と考えられます。コロナ禍の解雇ラッシュにより、需要の波がある産業を避ける傾向だけでなく、「対面ではなく在宅で働きたい」という需要も高まっています。
また、サービス業に共通して抱かれがちな「長期的なキャリアパスが描きづらい」という印象と「過酷な労働環境」という業界イメージが合まって、宿泊従事者のなり手が減少しています。
このように、人手不足の背景にある需要の急拡大・人口流出・過酷な労働環境・労働市場の変化が複雑に絡み合うことで、宿泊業の人材不足が加速しているのです。
人手不足を打破する3STEP
こうした現状を打破するためには、何から取り組めばよいのでしょうか。ホテル・宿泊施設の人手不足解消に向けて取り組むべき施策を、3STEPにわけてご紹介します。
①業務の無人化
人手不足においてまず行うべきことは、「人がやらなくてはいけない仕事を減らすこと」です。分担体制をしき、人だから提供できるサービスに注力することで、宿泊体験全体の質を担保した状態で従業員の負担を軽減できます。
・業務用清掃ロボット導入
ホテルの従業員にとって、業務の大きな割合を占めているのが客室清掃。チェックアウト後の限られた時間の中で、清掃やアメニティの補充・備品点検を何部屋も行います。また、ゲストの少ない夜間に共用部を清掃することも。
体力的にも時間的にも厳しい清掃業務をロボットと分担すれば、清掃時間、ひいては労働時間自体を短縮可能。導入に当たっては補助金が活用できることも多く、費用対効果・即効性の高い施策と言えます。
・デジタル化・セルフサービス推進
近年多くの宿泊施設で見かける「セルフチェックイン」。ゲストからの質問への対応や、荷物預かりなど+αのサービスを行う担当者を除き、フロントの人員を削減できます。
カードや電子マネー決済が増えてきた今、ゲストからも「早く気楽にチェックインできる」と好評なサービスです。
②採用と働きやすさの促進
即効性重視の現場の負担軽減に加え、中長期的に働きやすい環境を作り離職防止に努めることも必要です。厳しい労働環境を根本的に改善できる施策を検討しましょう。
・従業員のシフト柔軟化
パートタイムやフレックスタイム制度など、柔軟なシフトで、一人ひとりにあった働き方を実現しましょう。慣れるまでは負担は大きいですが、働きやすい環境には人が集まりやすく、結果的により多くの人材確保につながります。
・多様な人材の採用
経験値のあるスタッフが疲弊し離職してしまうと、ホテルにとっては非常に痛手。「各自の負担軽減のために一人でもスタッフを増やしたい、でも当てがない」という場合には、外国人スタッフやスポットで働く契約のアルバイトスタッフなど、多様な採用を検討してみてはいかがでしょうか。
特に外国語対応が必要なホテルでは、外国人スタッフが1人増えるだけで、ホテルの競争力を高める可能性も。柔軟な採用・人事で人手不足を乗り越えましょう。
③制度を整え長期定着を促進
根本的な人手不足解消のためには、宿泊業界が「働きたい業界」として労働市場で認知され、人が集まる業界になることが欠かせません。長期的な成長を支え、モチベーションを高める制度づくりが肝要です。
・研修プログラムの充実
社内での研修やスキルアップのプログラムを充実させることで、モチベーションの高い人材の確保や、優秀な人材の育成を。即効性のある施策ではありませんが、従業員の長期定着にも、サービスレベルの向上にもつながる重要な施策です。
・福利厚生の充実
賃金UPよりも取り組みやすい福利厚生の充実は、従業員に感謝を伝えながらモチベーションをあげるのにぴったり。提携宿泊施設の割引やスパの利用券など、ホテルならではの福利厚生なら、「ホテルで働いていてよかった」と感じてもらいながら、サービスを受ける側の視点を学ぶ機会を提供できます。
①業務の無人化
②採用と働きやすさの促進
③制度を整え長期定着を促進
これら3STEPをはじめ、人手不足による課題を根本から解消するには様々な角度から制度や従業員との関わり方を見直す必要があります。
業務用清掃ロボット導入からスタートすべき理由
ただし、取り組む順番次第では、かえって現場を苦しめてしまう可能性も。そこで最初に取り組むのに「ロボット導入」がおすすめです。
その理由は、根本的な人手不足解消に向けた準備を低コストで整えられるから。ご紹介してきた通り、単に業務を代替し、なんとか回していくその場しのぎの対応だけでは人手不足の根本的な解決にはつながりません。働きやすさや定着といった、中長期で「人がやめない」仕組みづくりを行う必要があります。
そうした業務の見直しや制度構築こそ、施設のことを深く理解した現場社員にしかわからない、代わりの効かない仕事です。現場業務に圧迫されず、人が注力すべき仕事に取り組む時間を捻出するために、無人化を進めることが重要と言えます。
中でも、ゲストとのコミュニケーションが発生しない清掃は、フロント業務などに比べ完全無人化を図りやすい領域と言えるでしょう。
業務用清掃ロボットなら、充電やゴミ交換も自動のため、予約機能を使用すれば、一度もロボットに触ることなく清掃を完結させられます。掃き掃除だけでなく水拭き・空拭きまで完結できる機種や、自力でエレベーターを乗り継ぎ複数フロアの清掃を行う機種も。
そのほかにも
・清掃の品質の一貫性
・スケジュールが柔軟で、夜間などスタッフが手薄な時間帯に稼働させられる
などのメリットが挙げられます。
高額なイメージのあるロボットも、近年では家庭用と同等サイズの小型タイプや、試用しやすいレンタルプランなどが登場しており、初期費用10万円前後から始められるものも。人手不足解消支援を目的とした国や自治体からの補助金・助成金の対象となることも多く、補助金を活用して、複数台のロボットを導入した施設も散見されます。無人化は人件費削減にもつながるため、長く使うことで費用対効果はどんどん上がっていくのも嬉しいポイントです。
このように業務用清掃ロボットは、完全無人化が可能な業務領域と一任できるスペックにより、現場の負担を即時解消しながら、長期的な課題解決のための時間を捻出可能。始めやすい費用も踏まえると、まさに最初に取り組むべき施策と言えるでしょう。
ホテルのロボット導入はROBOTIにご相談
人手不足解消に向けて取り組むべきことは沢山。業務用清掃ロボットの導入や、補助金・助成金のご相談はROBOTIにまるまるお任せください。
ROBOTIは導入〜運用・保守まで一貫したサポート体制を敷いているところが強み。お悩みやご予算を丁寧にヒアリングし、トライアルを経てご導入いただけ、運用中もいつでもお電話でサポートいたします。買い切り・レンタルどちらのプランもご用意しているため、ぴったりのロボットとプランをご案内します。
ホテル・旅館をはじめとする宿泊施設の導入実績も多数。(事例:https://robot.i-goods.co.jp/case/1793/ )
また、当社はエコアメニティ事業も行っているため、ホテル業界への知識も豊富です。
(ホテルサービス詳細:https://www.i-goods.co.jp/hotel/ )
「業務用清掃ロボットが気になる」「人手不足をなんとかしたい」。そうお悩みの方はお気軽に当社までご相談ください。
(参考)
サービス・ツーリズム連合「人手不足に関するヒアリング調査」(https://net-stu.com/public/menu/news/kikanshi2024050101.pdf )