
業務用お掃除ロボットはなぜ動く?人工知能(AI)の仕組みや利点を徹底解説
2025.04.09
目次
業務用お掃除ロボットは、人工知能(AI)技術を活用した最新テクノロジーであり、自律走行かつ全自動で清掃する優れたシステムです。しかし、お掃除ロボットがどのような仕組みで動いているのかよくご存じない方も多いのではないでしょうか。
今回は、業務用お掃除ロボットの開発から普及、人工知能を利用した技術進歩の道のりと、人工知能が機能にどのように関わっているのかを徹底解説。活用のメリットやデメリットを踏まえ、リーズナブルかつ安全に導入する方法をお伝えします。
業務用お掃除ロボットの開発からAI搭載型機種が普及するまでの歩み

まず、業務用お掃除ロボットが普及するまでの歴史と、人工知能(AI)が搭載された機種が登場するまでの変遷をみていきましょう。
業務用お掃除ロボット実用化の歴史
日本で業務用お掃除ロボットの開発が始まったのは、1960〜1970年頃だといわれています。しかし、まだ性能が不十分であり、実用化に至ったのは比較的新しいトピックです。
床面清掃ロボットの実用化第一号機は「AS-100」と「AXV-01」。「AS-100」は、東芝と三井不動産が1986年に開発したお掃除ロボットです。一方「AXV-01」はオートマックス社・エレクトロラックス社が1990年に開発したお掃除ロボットであり、広範囲での稼働が可能なビル床面清掃に特化しています。ジャイロセンサーによる位置認識と自律走行や掃き・吸引での床面清掃、各種センサーによる障害物回避など、当時としては画期的な技術でした。
エレベーター連携機能を搭載した業務用お掃除ロボットの登場
1999年になると、富士重工業と住友商事の共同開発で、エレベーター連動清掃ロボット「ロボハイター」の実用化に世界で初めて成功。現在地を認識しながら自動でエレベーターを乗降、オフィスビルの各階を移動し、床面を清掃してから格納場所まで戻る仕組みです。センサーの技術も以前より向上し、場所や状況に応じた清掃やスピード調整が可能になりました。
AI技術を活用した業務用お掃除ロボットのさらなる進歩と現状
2000年代になると、同時位置特定およびSLAM技術の研究・搭載が盛んになり、リアルタイムでのマッピングと複雑な環境でのナビゲーションが可能になりました。
さらに2010年代に入ると、人工知能(AI)を搭載したお掃除ロボットが登場。AIのアルゴリズムにより、ロボットは学習が可能になり、時間が経つほどパフォーマンスが向上する機能が追加されました。各社がこぞってお掃除ロボットにAIを組み込み始め、単なる床掃除にとどまらない、多彩な機能を搭載したシステムが生み出されています。
また、お掃除ロボットの清掃機能も大きく進歩。多用途に活用できるお掃除ロボットが登場し、掃き・吸引・拭きなど複数段階を1つのボタンで実行できるようになりました。LiDARや3Dカメラ、赤外線などセンサー技術とそれにともなうナビゲーション機能もさらに高度化。より精度の高いマッピングおよび障害物回避が可能となっています。あわせてIoT技術との統合が進み、スマートフォンなどのアプリを経由した設定の遠隔制御が実現しました。
業務用お掃除ロボットの最新動向
近年のお掃除ロボットの最新トレンドは「サステナブル」。エネルギー効率の高い部品や材料を採用するほか、リサイクル可能なロボットの設計など、地球に優しく持続可能な新技術の開発が進められています。
お掃除ロボットに搭載される人工知能(AI)の動作の仕組み

続いて、お掃除ロボットに搭載される人工知能(AI)の動作の仕組みを、以下の3つに分けて説明します。
- 高性能なセンサーの役割
- マッピング機能と自律走行
- アルゴリズムによる最適化と学習機能
高性能なセンサーの役割
お掃除ロボットには、あらゆる方向が感知できる高性能なカメラやレーザー、ジャイロといったセンサーが搭載されています。カメラやセンサーを縦横無尽に稼働させることで、自らの現在地とその周囲の状況を正確に把握し、通過・回避および清掃する仕組みです。
また、センサーとカメラの機能で汚れの種類やゴミの大きさなども自動で検知。人工知能(AI)の思考力と組み合わせることで、自律での走行や細部まで行き届いた高品質な清掃を実現しています。
マッピング機能と自律走行
お掃除ロボットが自律走行するのは、人工知能(AI)によるマッピング機能が搭載されているためです。レーザーセンサーで、フロアの間取りや進行の障害物となるオフィス家具や設備、人などを検知し、その距離を計測してルートマップを作成します。レーザー信号を利用して自動ドアやエレベーターなどが通過できるほか、人が多い場所を避けたり、侵入禁止エリアを設けたりなどのルート調整も可能です。
なお「ROBOTI」オリジナルお掃除ロボット「RACLEBO」シリーズは、初期設定として「LiDAR」という方法でマッピングを行ないます。このルート設定機能とロボットに搭載されるセンサーにより、障害物にぶつかることなく、ガイドなしで最適なルートを自律走行できる仕組みです。
アルゴリズムによる最適化と学習機能
お掃除ロボットの自律性および正確な動作を実現しているのが、人工知能(AI)の「アルゴリズム」による学習機能です。アルゴリズムとは、コンピュータの動作を決定する手順や計算方法のこと。お掃除ロボットでいうと、清掃のやり方を指します。
このアルゴリズムにより、お掃除ロボットに搭載された人工知能は稼働するたび学習して賢くなっていく仕組みです。さまざまな移動ルート・清掃方法から、最善策を自動で検出し、効率よく作業をこなします。また何らかの問題がある場合には、人工知能が原因を究明し、試行錯誤を繰り返しながら最適化していくことで、全自動の稼働を実現しているのです。
人工知能(AI)が搭載されたお掃除ロボットができること

お掃除ロボットに人工知能(AI)が搭載されることで、次のような動作が可能になりました。
- 複数の工程を1体でこなす
- 最善の清掃ルートを自動で選択する
- 最適な清掃方法を自ら考えて導き出す
複数の工程を1体でこなす
人工知能(AI)搭載型お掃除ロボットは、記録したルートをただ自動で清掃するだけではありません。床の材質やゴミの種類・大きさに合わせ、掃き・吸引・水拭き・から拭きなど異なる清掃作業を自ら選択して実行します。データの蓄積・分析も可能であり、それを活用した清掃業務のさらなる改善と効率化が可能です。
また、清掃の精度や品質も人の手とは異なり均一で、バッテリー充電もフルオート。操作はボタン一つで完了し、手間いらずなので、高齢やデジタル機器が苦手なスタッフでも抵抗なく扱えます。清掃作業のロボットへの完全代替のほか、人の手と組み合わせるだけでも業務効率が格段にアップするでしょう。
最善の清掃ルートを自動で選択する
人工知能(AI)が搭載されたお掃除ロボットにはマッピング機能があり、清掃エリアを自由に指定できます。また、複数のセンサーでルート上の段差や障害物を自動で検知し、最適なルートを選択することが可能です。
さらに、回避・停止など状況に応じた動きを自動で判断。機種によっては出入り口やエレベーターに対応し、多層階の清掃もこなせます。
最適な清掃方法を自ら考えて導き出す
人工知能(AI)が搭載されたお掃除ロボットには、オート学習・記憶機能があり、稼働するたびにアルゴリズムが最適化される仕組みです。清掃作業で生じたあらゆる問題を自動で分析し、解決の最善策を導き出します。
利用期間が長期になるほど、どの方法が最も効率的かつ効果的かを学習するため、業務効率がさらにアップするでしょう。また、お掃除ロボットの人工知能は定期的にバージョンアップされ、より高度に進化していく予定です。
なお、業務にお掃除ロボットを導入するメリットについては、こちらのコラムで解説しています。ぜひ併せてチェックしてみてください。
人工知能(AI)搭載お掃除ロボットの導入で生じる可能性のある問題点

人工知能(AI)が搭載されているお掃除ロボットには、高機能ゆえに、以下のような問題点が考えられます。
- 価格が高い
- セキュリティ面のリスクがある
メーカーや機種にもよりますが、人工知能が搭載されたお掃除ロボットは全体的に高額な傾向にあり、リソースに余裕のない企業は導入に踏み切れないかもしれません。
しかし、お掃除ロボットを導入すれば省人化および人件費の削減が可能です。人件費に割くコストは膨大であり、各種保険もかかります。一方、ロボットならいったん導入すればあとは最低限の消耗品費とメンテナンス費用がかかるのみ。手作業よりスピーディーかつ安定した清掃品質で、時間や安全性を気にせず稼働させられるため、コストパフォーマンスが抜群です。さらに、清掃・配膳といったルーティンワークをロボットに任せ、従業員をコア業務に集中させれば、生産性の向上が期待できます。
また、お掃除ロボットが収集したデータの機密性にも十分な配慮が必要です。とはいえ、機種やサービスを慎重に選定すれば、リスクを最小限に留められます。認証機能のセキュリティレベルが高く、サポート期間の長い機体を選ぶことで、安心して稼働させられるでしょう。くわえて、不安なときはサーバーへデータを送信しないよう設定したり、特に機密性が高い場所は立ち入り禁止に設定したりするなど、セキュリティ対策を徹底してください。
なお、お掃除ロボットの機能面のデメリットおよびその解決策を以下のコラムで紹介していますので、ぜひご参照ください。
人工知能(AI)搭載お掃除ロボットをリーズナブルかつ安全に利用する方法
次の4つのポイントを踏まえて導入方法を選べば、人工知能(AI)搭載のお掃除ロボットの課題を解決し、メリットが最大限に活かせるでしょう。

- メーカー直販品を購入する
- レンタルする
- 補助金・助成金を申請する
- サポート内容が充実したサービスを選定する
メーカー直販品を購入する
AI搭載の業務用清掃ロボットの長期的な利用を想定している場合は、購入がおすすめです。メーカー直販品を展開するサービスを選べば、代理店を介さないため、リーズナブルに導入できます。
なお「ROBOTI」のオリジナルのお掃除ロボット「RACLEBO」シリーズは、メーカー直販価格なので、導入しやすい価格です。また、多種多様なニーズに対応する契約プランやサポートが充実しています。無料保証は一般的な業務用ロボットより長期となる最長3年間、さらに2〜3年分の消耗品プレゼントなど、お得な特典が満載。トライアルも可能で、効果を実感したうえで導入できるのもうれしいポイントです。
レンタルする
費用面の問題からお掃除ロボットの導入が難しいときは、レンタルサービスの利用がおすすめです。なお「ROBOTI」の「RACLEBOシリーズ」は、メーカー直レンタルのため中間マージンをカットし、最低価格で提供しています。
レンタルの際も、ロボットの選定から導入、アフターフォローまで万全のサポート体制。ブラシ・フィルターなどの消耗品も一式セットになっているため、ランニングコストが最小限で済みます。
補助金・助成金を申請する
業務用ロボットの導入には、一定の条件を満たせば、公的な補助金や助成金が利用できます。例えば、現在行われている補助・助成制度は以下のとおりです。
- 中小企業省力化投資補助金
- 中小企業投資促進税制
上記のほか、自治体主導でIT化促進に関する補助・助成制度を設けているケースもあります。
なお「ROBOTI」では、助成金・補助金の活用に関する相談も可能です。最適な補助金の案内や申請手続きの説明など、丁寧にサポートします。(※申請の代行業務はできません)
サポート内容が充実したサービスを選定する
人工知能が搭載された高機能なお掃除ロボットを導入する際は、最適な機種を提案してくれるサービスをパートナーに選びましょう。自社のニーズや課題、状況に応じたお掃除ロボットを選ぶのは、専門知識がないと困難です。また、保守・運用サポートが充実かつ長期のサービスを選べば、導入後のトラブル・リスク対策も万全の体制に整います。
「ROBOTI」では、複数のお掃除ロボットから最適な機種をプロ目線で選定。導入や設定もワンストップでサポートします。サポート期間は最長2〜3年であり、導入後のあらゆるトラブルやお悩みに迅速に対応します。
まとめ
人工知能(AI)の技術進歩は目覚ましく、清掃・配膳ロボットなど身近な現場の業務効率化や省人化に活かされています。運用は簡単ですが、運用を最適化するには、自社にあった機種・導入方法を選択することが大切です。
業務用清掃ロボットの導入を検討している際は、機種選定から保守運用まで一気通貫でサポートする「ROBOTI」にぜひ一度お問い合わせください。
[出典]/社団法人 日本ロボット工業会/国産ロボット技術発達の系統化に関する調査/https://www.jara.jp/